古き武当山の太極拳は、不老長寿を極めていくという内丹術を、武道と一体化したものであることは有名です。医武同源ということです。
不老長寿を研究する仙学というと、現在においては何か神秘的な、それよりも怪しいものにまで変化して伝わっているところが多いようですが、もともとは内丹とほぼ同じ意味で、本来は道教の僧が自己確立のための予防医学や健心・健身術として極めていったものであったのです。ところが、安易に素早く長寿や健康を望む一部の者が、仙薬を作ったり特別な修行や荒行を行ったりしたものなどを仙術と名乗っているものが今やほとんどです。
内丹術としての太極拳は、心身のホメオスタシス(恒常性維持機能)を取り戻し、長寿と心身の健康を促進するもので、太極拳の攻防理論や、太極理論と完全に一致し、漢方や黄帝内経などの理論にも通じているものです。
そこで今回は、最近注目されている健康と長寿の遺伝子「サーチュイン遺伝子」に注目してみました。
サーチュイン遺伝子とは、生物の長い飢餓の歴史の中で、飢餓対策として体内に生まれたものであり、安全過剰で飽食の現代人のなかではほとんど休眠中で、その結果、老化が進行しているというのです。…